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 公立学校教員の労働環境を改善するため、教員の時間外勤務を月平均30時間まで減らす――。そんな目標を盛り込んだ改正教員給与特措法(給特法)が6月、国会で成立した。

 だが、東京都の公立小で働く40代の男性教諭は「どうやって?」という思いが止まらない。

 小中高に通う3人の子どもを共働きで育てる男性は、学校では校長や副校長を支える主幹教諭だ。年間行事の管理などをする教務主任を務めながら、5年生の担任を担う。学校の定時は午前8時15分~午後4時45分だが、「定時で終わることはあり得ない」。

 授業を終えた午後3時半以降、複数の会議をこなし、校務文書を作り、行事や委員会の準備などを行う。そこへ保護者対応も加わる。いじめなど急を要する案件は臨時で管理職らを集めた会議が開かれるが、これも頻繁に起きる。

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教室に残って仕事をする男性教諭

 午後8時ごろまで学校に残って働くのが常で、授業準備は30分取れればいい方だという。1日の時間外勤務は3時間超。単純計算でも月60時間を超える。午後9時や10時まで残る若い教員もおり、多くの教員は土日もどちらか学校で働く。

警備員も帰った後の学校で

 2022年に文部科学省が実…

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